パートナーとの絆を弱める男の口癖
私は数年前に離婚した。
今思い返しても、その決断は間違ってなかった、
むしろ、離婚を実行した私は立派だったとすら思う。
元夫との会話の中で度々出てきたのがこのセリフ「君の考えはおかしい。僕の〇〇が正しい。みんなそう言ってる。」
この「みんな」とは誰のことか?
もちろん、全世界のすべての人間を指すはずがない。
元夫の周りにいた数人の同じ年配の男たち、もしかしたらたった一人か二人くらいのことだったかも知れない。
自分と同年代の何人かの男性の意見が自分と同じだったら、彼にとってはそれが「みんな同じ考えを持っている」ということになったのだろう。
そして「妻」の言い分は間違っている、聞くに値しない、となる。
こういう物言いは女性、特に専業主婦を追い詰める。
「君は世間というものを知らないから」
そう言われてしまえば、その通りだろう。
子供が生まれてからというもの、まともに美容院さえ行けなかった。
「みんなそう言ってる。」
これを何年も聞かされ続けると、そのうち自分のものの捉え方が本当におかしいのかと疑問を持つようになってくる。
狂人3人に囲まれて生活していると、どっちの精神状態が正常なのか分からなくなってくるような状態に似ている。
離婚後しばらくして、当時の胸の内を娘に打ち明けた時、
「gaslighting だね」
当時まだ高校生だった娘が教えてくれた。
gaslightingとは日本語では「ガス燈」と翻訳されているイングリッド・バーグマン主演の映画 Gaslight から来ている心理学の用語だ。
一人の男が遺産目当てに、その遺産を相続する女性と偽装結婚、自分の作り上げる嘘を一つ一つ信じ込ませるマインドコントロールを入念に計画、実行に移す。
人を自由に操って、精神を狂気に追い込もうとする物語だ。
そこから、このような心理的虐待を「ガスライティング」と心理学の分野では呼ぶ。
まさにそれだと思った。
同じ家の中で生活していた娘がしっかり私の状況を見ていてくれた。
出口のないモラハラを受け続けた私の心の傷は簡単に癒えるはずはなく、娘の一言は本当に救いになった。
更にビックリしたのは、娘も彼女に対する父親の言動を私と同じように支配的、独善的に感じていたと知らされた時だ。
単なる夫婦問題ではなかったのだ。
流産を繰り返した後、高齢出産で生まれた娘だが、この時はこの子を産んで本当によかったと思った。
あの時以来、私と娘は強い絆で結ばれるようになった。
私には私なりの正論がある。
私には私に適した住まい方がある。
私には私が幸せだと感じるお金の使い方がある。
1、3枚目の写真の出典はぱくたそ
それを端から否定したのが、「そうじゃない。みんなそう言ってる」である。
その一言でパートナーの言い分を片付けようとする男とは楽しい未来はない。
世の女性たちよ、気づいて欲しい。
あなたの幸福は自分自身の正直な気持ちと五感がもたらすものであることを。
そして、男は気づかないのかも知れない。
この物言いがもたらす自らの行く末を。